ナポリ近郊にはまだまだ見所があります。中でも決して忘れてはならないのが、高校世界史にも登場する「ポンペイ(Pompei)遺跡」。ナポリから電車で約40分の距離にある世界遺産です。丁度この写真のバックに写っているヴェスヴィオ火山が紀元79年に噴火、町が一両日中に完全に火山灰中に埋没してしまったことはあまりにも有名ですが、実は1800年に再発見、発掘が開始されるまでは人の目に触れることもほとんどありませんでした。従って、町全体の遺構が極めて良好な状態で保存されています。
この上の写真正面を真っ直ぐに貫通している道が、当時の目抜き通りVia Abbondanza。道の両側には商店や民家が立ち並んでいたそうです。中には一見して、商家の店先のカウンターだと分かるものもありました。かつてはそこでオリーブオイルなどを売っていたとか。他にも、壁に書かれた落書きが残っていたり、甕がそのままの形で埋もれていたり、何だかそこかしこで生活感が垣間見えます。今は廃墟に過ぎないのに、約1900年も前にそこで生活していた人々の息吹をかなり明確にイメージできる気がして、とても不思議な感じでした。同じ遺跡でも、ローマのコロッセオやアテネのパルテノン神殿を見たときとは全く違う感覚に襲われます。
さて、丁度ナポリとポンペイの中間地点には、また別の世界遺産があります。「エルコラーノ(Ercolano)遺跡」です。ポンペイよりは知名度も規模も落ちますが、同じく紀元79年の噴火によって壊滅した町です。実はポンペイよりも被害は甚大で、噴火後一瞬にして火砕流に町が飲み込まれてしまったとのことです。その分町の保存状態はなお一層良く、特にいくつかのモザイクは圧巻でした。左の写真はネプチューンのモザイクといわれているもの。当時の色彩豊かさそのままに残っていました。また、遺跡のすぐ側まで現代の民家が立ち並んでいて、それらの対比もなかなか面白かったです。
ポンペイもエルコラーノも、どことなく人間臭さを感じさせる古代ローマ植民都市の遺跡でした。
遺跡の発掘といえば、王族のお墓や調度品、当時使われていたもの等を掘り起こすという、なんだか細かな作業をイメージしてしまうのですが、一夜にして火砕流に飲み込まれた街全体をほぼ完璧な状態で発掘できたなんて! 発見した人や発掘に関わった人達は、どんな気持ちだったでしょうね!!!
ん~~、さすが、いい旅をされてますね~!!
投稿情報: パッキー | 2009-01-28 06:04
>パッキーさん
本当に、掘り出すのが楽しくて楽しくて仕方がなかったでしょうね。
それにしても、当時のままの姿で埋まってしまったことが凄いです。
投稿情報: Shibuya | 2009-01-29 07:28